教育目標『知性の高い生徒になる』

 当校では,開校以来,「知性の高い生徒になる」を教育目標としている。「知性の高い生徒になる」は,「現在の自分が置かれている状況や直面している課題を的確に把握し,それを乗り越えたり解決したりするために,今何をすべきかを,既有の知識・経験・方法を総動員して探索し,よりよい自己の在りようを求めて真剣に努力する生徒になる。」ことを意味している。換言すれば,よりよい自己・よりよい社会の実現に向けて真剣に努力することであり,活力に満ちた生き方を求め続けていく姿である。 「知性」は人間性の根幹であり,長期にわたる主体的な学習(論理に基づく探索活動と直感に基づく創造活動)をとおして獲得され,また,磨かれていくものである。学習を通していかに多くの知識が集積されようとも,それ自体は知性ではなく,「人間らしさ」を軸に再構成され,有機的統合的に組織されたとき初めて「知性」となりえるものである。 教育目標「知性の高い生徒になる」を支える具体的資質として,「進んで学習し,粘り強く追究する」(自主)と,「目標の達成に向けて自らの役割を果たす」(協働)と,さらに,この2つを身に付けることによって実現されるであろう「自らを鍛え,自己を高めようとする」(自己実現)の3つを挙げた。 「自主」とは,生活のあらゆる場面で自らの意志と責任において自己の行動を決定することである。自分の生活をよりよいものにしていくために,自分で目標を定め,それを達成するために進んで計画し,試行錯誤を重ねていくような生き方こそ,期待する生徒の姿である。 「自主」はまた,「協働」と極めて深い相補的関係をもつ。個の高まりは基本的には「自主」に支えられた強い意志と実践力によって保障されるが,一方で,他とのかかわり,すなわち集団とのかかわりの中においてこそ,個はより確かに育てられ,かつ磨かれる。また,自ら精一杯考えた結果を互いに出し合うことによって,それぞれは多様な考えの中で昇華され,より高次な価値や成果を生み出すことができたり,さらに個では到底成しえない事柄でも,互いにもてる力を出し合うことによって解決できたりする。互いに協力して考え行動することは,ますます複雑になり解決困難な課題が出現するであろうこれからの社会を生きていく生徒たちにとって,欠くことのできない資質である。 このように,「進んで学習し,粘り強く追究する」という個人的な側面と,「目標の達成に向けて自らの役割を果たす」という集団的な側面の両方から生徒が生き方を追究することによって,「自らを鍛え,自己を高めようとする」という,今ある生活を常によりよいものに実現させていく生き方の姿勢が形成されるものと考える。そして,それは必然的に将来の望ましい「自己実現」の道へとつながり発展していくものであり,それが白新中学校の目指す「知性の高い生徒」である。