白中通信について

「白中通信」は,白新中学校が生徒・保護者,そして地域の皆様に中学校の教育活動の様子を知っていただくために発行している学校だよりです。
発行は,学校行事や生徒の活動に合わせてタイムリーに出すことにしています。内容は,活動の様子がわかる写真,そして生徒の文章,担当職員からの文章等からなっています。

教育目標『知性の高い生徒になる』

 当校では,開校以来,「知性の高い生徒になる」を教育目標としている。「知性の高い生徒になる」は,「現在の自分が置かれている状況や直面している課題を的確に把握し,それを乗り越えたり解決したりするために,今何をすべきかを,既有の知識・経験・方法を総動員して探索し,よりよい自己の在りようを求めて真剣に努力する生徒になる。」ことを意味している。換言すれば,よりよい自己・よりよい社会の実現に向けて真剣に努力することであり,活力に満ちた生き方を求め続けていく姿である。 「知性」は人間性の根幹であり,長期にわたる主体的な学習(論理に基づく探索活動と直感に基づく創造活動)をとおして獲得され,また,磨かれていくものである。学習を通していかに多くの知識が集積されようとも,それ自体は知性ではなく,「人間らしさ」を軸に再構成され,有機的統合的に組織されたとき初めて「知性」となりえるものである。 教育目標「知性の高い生徒になる」を支える具体的資質として,「進んで学習し,粘り強く追究する」(自主)と,「目標の達成に向けて自らの役割を果たす」(協働)と,さらに,この2つを身に付けることによって実現されるであろう「自らを鍛え,自己を高めようとする」(自己実現)の3つを挙げた。 「自主」とは,生活のあらゆる場面で自らの意志と責任において自己の行動を決定することである。自分の生活をよりよいものにしていくために,自分で目標を定め,それを達成するために進んで計画し,試行錯誤を重ねていくような生き方こそ,期待する生徒の姿である。 「自主」はまた,「協働」と極めて深い相補的関係をもつ。個の高まりは基本的には「自主」に支えられた強い意志と実践力によって保障されるが,一方で,他とのかかわり,すなわち集団とのかかわりの中においてこそ,個はより確かに育てられ,かつ磨かれる。また,自ら精一杯考えた結果を互いに出し合うことによって,それぞれは多様な考えの中で昇華され,より高次な価値や成果を生み出すことができたり,さらに個では到底成しえない事柄でも,互いにもてる力を出し合うことによって解決できたりする。互いに協力して考え行動することは,ますます複雑になり解決困難な課題が出現するであろうこれからの社会を生きていく生徒たちにとって,欠くことのできない資質である。 このように,「進んで学習し,粘り強く追究する」という個人的な側面と,「目標の達成に向けて自らの役割を果たす」という集団的な側面の両方から生徒が生き方を追究することによって,「自らを鍛え,自己を高めようとする」という,今ある生活を常によりよいものに実現させていく生き方の姿勢が形成されるものと考える。そして,それは必然的に将来の望ましい「自己実現」の道へとつながり発展していくものであり,それが白新中学校の目指す「知性の高い生徒」である。

新潟県中学校教育研究会 創設55周年研究大会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平成30年11月20日(火)に,「新潟県中学校教育研究会 創設55周年研究大会」が当校を会場に行いました。片貝中学校,寄居中学校、聖籠中学校、白新中学校4校の教師と生徒が一堂に会し学び合う授業を提案しました。

以下に当日の資料等があります。
県中教研創設55周年研究大会

学校の概要

当校は,昭和22年5月15日に開校され,昨年度(平成29年度)で創立70年を迎えた。県都新潟市の中央部に位置し,大江信濃川の河畔に位置する。周辺には,地方裁判所,新潟地区合同庁舎,県民会館等の国や県の出先機関や施設をはじめ,新潟市役所,市陸上競技場,市体育館など市の中枢機関や主要施設が多く所在している。加えて,各種の商社商店が軒を連ねており,整った官庁商店街を形成している。また,音楽文化会館,市民芸術文化会館や新潟大学医学部・歯学部,県政記念館,多くの高等学校や各種学校もあり,文教地区としての性格をもっている。白山神社を中心に古くから住み慣れた人たちも多く,歴史の古い住宅街であることに加え,最近では,高層マンションが建築されているが,近年のドーナツ化現象の進行はとどめがたく,人口の漸減傾向が続いている。かつては校歌に「二千の学徒,こぞり立つ」と歌われ,2,200人を越えた生徒数が,今では197人にまで減少している。 保護者の職業は,卸・小売商,飲食業,製造業の経営者や従業員,公務員,会社員等多彩であるが,総じて教育に対する関心は高い。「わたしたちの学校」という意識から学校への期待感も強く,協力態勢も整っている。校区内の小学校は,鏡淵小学校と白山小学校の二校である。ともに古い歴史と伝統をもち,すぐれた教育実践の積み重ねの上に学校と保護者,保護者相互の協力・信頼の関係が築かれている。そのよき習慣はそのまま中学校に継承されている。また,同窓会,地域のコミュニティ協議会,自治会等の学校への協力体制が整っており,地域の住民からの温かい支援に支えられている学校である。 校舎は,昭和39年の新潟地震により一部被災したが,残った鉄筋校舎(銀河校舎)に加えて,新たに北斗校舎と体育館・プールが昭和41年に建築された。また,平成5年には武道場が建築された。しかし,両校舎,体育館・プールともに40年近い歳月を経過し,老朽化が目立つため数年かけて大規模改修工事が行われるとともに,平成11年には体育館が,平成13年にはプールが改築された。ただ,生徒の減少に伴って施設設備に余裕を生じたことは,授業をはじめ各種の教育活動を展開していくうえで非常に恵まれた条件となり,文化ゾーン(北斗校舎4階)における「白新資料館」「白新科学館」「白新生徒館」「白新美術館」をはじめ,「銀河ホール」「共有スペース」など,教室の多面的な活用が図られている。また,生徒・職員の創意工夫,保護者や同窓会の支援によって緑化が進み,校地のいたる所に新潟の風土に適した草木が植栽されているのに加え,中庭で錦鯉が飼育されるなど,四季折々の緑あふれ,生き物とのふれあいのある学園としての環境が整備されてきた。また,平成28年度には,校舎の外壁工事が行われ,純白の外壁と各玄関に青地のラインが施された。 2 生徒の実態と研究推進校としてのあゆみ 生徒は全般的に明るく素直である。誰にでも分けへだてなく交わされるあいさつや校内外でのマナーのよさなど,節度ある生活態度が来校者や地域から高い評価を得てい
る。学習への取り組みも意欲的で,真摯な態度で臨むとともに,各種の活動に積極的に参加し,対外的な発表会やコンクール等でも成果を挙げており,平成25年度には学生科学賞中央審査における内閣総理大臣賞受賞を始め,様々な賞を獲得している しかし一方で,情報の氾濫,消費文化の拡大などの社会や家庭の環境の変化の影響からか,忍耐力や自己決定力の低下,競い高め合う姿勢が乏しいなど,これからの社会を生き抜く力が足りないといった新たな課題に直面している。 このような実態を踏まえて,教育目標「知性の高い生徒になる」を目指し,「挨拶」「拍手」「返事」を生徒会の合い言葉とし,生徒と職員とが協働作業で,日々の教育活動に取り組んでいる。また,当校は創立以来,教育研究校としての系譜を着実に積み重ね,全国規模,県規模の研究会や授業公開を毎年,開催してきている。現在でも,常に前進を図り,他に先駆けて新しい教育実践に踏み切る白新教育のフロンティア精神は,今も綿々と受け継がれ実践されている。